『オリジナルモンスターの作成』 その3 ~数値設定編~
今回はLvに対して、どのぐらいの基準値が適正なのかというのを紹介したいかと思います。
どういうことなのか、というとステータスの基準値に、無理やりPCと同じボーナスを出してLvごとの分布を取ってみた……と、自分でも何言っているかわからないので、実際に紹介していこうと思います。
※今回のサンプルが“蛮族”に限るため、精度を求めるには、オリジナル“蛮族”に限ります。
【実際にオリジナルモンスターを作ってみよう!】
例:Lv7ぐらいのオリジナル蛮族を作りたい。
ベースとなる魔物が見当たらないので、命中や回避といったそれぞれのステータスの基準値をどうすればいい?
1.そのモンスターはどのタイプ?
【純戦士型】 :魔法技能を持たない魔物。
【魔法使い型】:魔法技能がメインである魔物。
【魔法戦士型】:近接戦闘も魔法も両方使える魔物。
この三つから特に深く考えずに分類して頂ければ大丈夫です。
この例では仮に、【純戦士型】だとします。
※【魔法戦士型】は強いせいか、Lv6以上しかサンプルが存在しませんでした。【魔法戦士型】を作製する場合は、Lv6以上に設定してください。
2.何Lvか考える
オリジナルモンスターを出すシチュエーションとして適したレベリングを考えます。
例では、『雑魚でLv4だから、オリジナルラスボスはLv7ぐらいかなー』という風に、Lv7と設定したとします。
3.そのLvに適した数値設定を行う
ここで少し下にスクロールした先にある【Lv&ボーナス対応表】を参照してください。
この例のオリジナルは【純戦士型】のLv7です。
なので、
の部分を参照します。これは、蛮族のステータスをPCのボーナスとして対応させたものなので、これを落としこむと以下のようになります。
命中判定は「Lv+器用度ボーナス」ですので、今回の例ではLv7、よって「魔物Lv7+器用度B3」となり、命中の基準値が10となりました。
同様にして、回避判定は「Lv+敏捷度ボーナス」ですので、「魔物Lv7+敏捷度B2」、回避が9と設定されたわけです。
他の基準値も同様です。
仮に、敏捷度ボーナスを用いるであろう特殊能力を持たせる場合は、「Lv7+敏捷度B2」で基準値を9にする、等応用も効きます。
(しかし、先制判定と敏捷度ボーナスはそのまま適用出来ないので注意)
※2~3といった波線で繋いでいる部分はイメージしている敵に適した方を採用してください。
これで、至って平均的な【純戦士型】のLv7蛮族ステータスが出来ました。つまりこのステータスの敵をLv7として出した場合、『Lv7のくせに強すぎるだろwwwふざけるなwww』と言われることは無いだろう、ということになります。
4.味付けをしてみる
例えば、このオリジナル蛮族は、巨人族の戦士であるから、鈍重であるものの大きいから攻撃はよく当たるし重いだろう、なんてフレーバーを考えたら、上の数字から命中を+1、打撃点を+2して回避を-1してオリジナリティを出してみる、なんて作業ですね。
どうでしょうか、これでLvと各基準値が劇的に離れることが無くなるかと思いますので、良かったら使ってみてください。
【Lv&ボーナス対応表】
【純戦士型】
【魔法使い型】
【魔法戦士型】
※特殊能力について
ボーナスに対応できない、魔物固有の特殊能力の基準値は、散布を出す程データ数がなかったのですが
何故かLvよりも3ぐらい高い暴力的な設定が多かった印象が強いです。特殊能力を強調したい現れでしょうか。
基本的にLv+1~3の範疇で、バフがし難い生命抵抗を使う判定等は+1程度に留めるというのが無難でしょうか。
※魔法技能について
魔力に関しては、『魔物Lv+知力』ではなく『魔法技能Lv+知力』になります。
更に、複数の違うLvの魔法を持っているケースがあると思います。
〆真語魔法7レベル
〆魔動機術5レベル
といった場合ですね。この時の魔力は、 【魔法使い型】の魔物Lv7であれば対応する知力Bが3ですから、それぞれ
〆真語魔法7レベル /魔力10(17)
〆魔動機術5レベル /魔力8 (15)
という風に、普通のPCと同じに設定すれば突っ込まれる事も無いのではないでしょうか、
【逆算してみる】
少し精度が落ちますが、
作ったオリジナルモンスターの「基準値-魔物Lv」で出たボーナスから、対応表を参照して当てはまるLv帯から魔物の適正Lvを逆算することも可能なのかと思われます。
【次回予告】
表を眺めると、少し違和感を覚える方がいるかもしれません。
各ボーナスの数値は、Lvが上がれば必ずしも比例的に伸びるというわけではないんですね。
今回の記事にそこまで纏めると、煩雑になると思ったので、
『オリジナルモンスターの作成』その4で、それぞれのタイプによる傾向や高レベルの際の頭打ちになる数値について、言及していきたいと思います。
例のごとく、以下は興味のある方だけどうぞ。
サンプルとして、バルバロステイルズに載ってる蛮族データでボーナスに関係する数値を全て手打ちしてみました。死ぬかと思いました。
その数、実に85体(打ち漏らしあり?)。しかし、当然、蛮族の括りといえど一緒くたには出来ません。人族だからといって、HFOと後衛エルフのステータスが同じな筈がないのと変わりませんね。
そこで、魔法技能の有無、更に近接能力の有無などから種族を分類分けしました。
【純戦士型】【魔法使い型】【魔法戦士型】【多部位型】【特殊型】の五種類に当初は分けたのですが、後ろ二つはサンプル数が少なく、あまりにも偏ったものとなった為、削除。複数部位のウチ、2つ程度は平均値を一体として入力(どうせ平均化されますし)
そして、基準値からLvを引いてボーナスを逆算。例えば、器用度ボーナスなら「命中基準値-魔物Lv」で出た値をボーナスとして仮定付ます。
そして、Lv毎におけるBがどの程度散布してるのかというのを出しました。
こんな感じのものですね。
そして、原始的に纏めたのが上の図となります。
当然、サンプル数が多ければ多い程良いので、BTに限らずIB、CG、博物誌なんかからもデータを引っ張った方が精度はあがるのですが、無理。
特に【魔法使い型】はサンプル数が一番少なく、知力以外に関するものはかなりバラつきがあります。この辺の指標は次回の記事で触れたいですね。
これを他の種族にそのまま適応出来るかと言われれば、うーんですよね。
傾向が違いますので、味付けの部分で工夫を凝らすと活用出来るだろうといったところでしょうか。
劇的に数値が可笑しくなることはないので、使えない事は無いと思うんですけどね……。
それぞれに取ってみて傾向を比較するのがベストですが……そんな気力がなかったので、蛮族に終わってしまいました。既に入力済みなどいう方がデータをくれるとするならば、同じようなデータを作……無責任なことは言わないでおきます。