SW2.0 リプレイ&ノベルレビュー! その1
SW2.0にはプレイ風景を記したリプレイという独特な形式のものがあります。+αノベルも出ていたりするので、今回はそれらをすげえザックリ紹介していこうと思います。
オススメ度は★5でマックスです。
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※登場人物紹介は限りなく冒涜的に紹介されています。ネタ半分に読みましょう。
《新米女神の勇者たち》
著者:秋田みやび
オススメ度:★★★★★
リプレイ女王こと秋田みやび女史のリプレイ。ルルブⅠ(改訂前)と同時に発売された事もあり、今のルールとは少し違う箇所は多いものの読む分には特に問題無い。
フェイダン地方のルーフェリアを中心に、物語は展開していく。
秋田みやびリプレイの特徴は、何と言っても読みやすい!
獣好きなのもあって、ホワホワしたNPCとホワホワしたノリで話が進んでいく癖に、シナリオは結構ずっしりしている。PC達もホワホワした空気に見せかけてやってることが、商人襲撃したりかなりぞんざい。ついたパーティ名はぞんざい勇者団。
初心者に薦めるでも安心したクオリティ。SW2.0始めたんだ~って人にはまずこれを渡しておけば安心。SW2.0に慣れた人でも断然面白い。
~登場人物の紹介~
PC1:ぞんざい勇者団代表のHFO(ヒューマンファイター男)
女性関係、行動、あらゆるものがぞんざい。特にPC2の付き人ルンフォへの扱いがかなりぞんざい。それでもしっかり主人公。
PC2:上のHFOの付き人ルーンフォーク、扱いが雑、出目があまりにも哀しいことに定評がある。これでメインスカウトだというので、大変。
PC3:ルーフェリア神官エルフ、パーティ唯一の常識人かと思いきやルーフェリアが絡むとアレになる。おかん属性。
PC4:PC3の妹、ただしナイトメア。意外とアウトローで自分が楽しいと思うことをやる。やりたいようにやった結果、神を大砲入れて射出したら大変なことになった。
PC5:没落商人のリルドラケン。飛行船のコアを掘り当てて一攫千金したら、ラクシアのお約束通り墜落して、冒険者とやり直すことに。金にがめついが、パーティは彼のことを防護点が高い盾位にしか見ていない為どっこいどっこいである。
上をレギュラーメンバーに、途中ちょこちょこ交代したりします。
《fromUSA》
著者:ベーテ・有理・黒崎
オススメ度:★★★★★
期待の(文字通り)大型新人がSW2.0にやってきた!
ということで、アメリカ人(と日本人のハーフ)であるベーテ氏が提供するリプレイ。個人的にたくさん読んだリプレイで一番面白い。
『それじゃあ敵を20面ダイスで……』
『正気か!? 清松さんに殺されるぞ!』
というシーンはあまりにも有名。アメリカのTRPG観と日本のTRPG観の文化差をちょいちょい挟んであって、非常に面白い。
シナリオは、フェイダン地方にある“集いの国”リオスを舞台に展開されていく。
このリプレイの最大の見所は、主人公が蛮族PCドレイクであるということ。
本来、相容れない蛮族のドレイクが人族社会へ受け入れられていく過程での衝突、そして受容をかなりリアルに展開していく。この辺りは、蛮族PC運営する卓で非常に参考になる。
全10巻に加え+1巻で帰ってきたが正直、もっと続いて欲しいと思える名作。間間に、面白い四コマが入ることで人気を博した。
決して初心者向けではないが、SW2.0に慣れてきた人には、ぐっと可能性が広がり、たまらない作品だろう。
~登場人物の紹介~
PC1:ドレイクPC。蛮族領ディルフラム出身。恋人の人間を兄のドレイクに目の前で料理されたのがトラウマで人族社会へ。
かなり主人公していて、男前。ただしヒモ。
仲間の為に《剣の加護/風の翼》!!と叫びながら飛んでいったシーンは(爆笑的な意味で)皆の涙を誘った。
全身オイルを塗りたくって、拷問を仕掛ける謎の風習を持つ。
PC2:捕虜ってたことろをPC1に助けられ、その後行動を共にする人間マギシュースカウト男。ようはPC1の親友ポジションである。三枚目。
姫騎士をこよなく愛し、姫騎士と結婚する為に爵位取得を目指す。
たとえ全裸の美女が転がっていようと、金属鎧を装備していない女に価値はないと一蹴できるブレない軸を持つ男の中の男。
PC3:ザイア神官のファイター女。お祓いの方法は『ザイア! ザイア!』と叫びながら聖印でペチペチする、可愛い。
金属鎧を着ている為PC2に変態的に追い回される、が、心を開いてPC2に近づくと逃げられるという可哀想な女でもある。
ザイア神官としてドレイクや蛮族絡みでの衝突し、葛藤してくれる彼女は、このリプレイのクオリティを高めてくれた。
PC4:世間知らずと自称するナイトメアの女の子。《高級娼婦》(コーチティザン)の一般技能を持つ。というのも、ナイトメアなので父親にそういうお店に売っ払われた為。技能レベル1で客がつくまえに逃げ出せた。
世間知らず世間知らずとお嬢様アピールするが、PC1にいつも金を無心されたり、何故か赤ん坊の世話を見なきゃならなかったりと、パーティ一の苦労人である。
PC5:自由奔放グラスランナー少女。バンド仲間とはぐれて冒険者となる。そして、グラスランナーなのに最終的に筋力B3に乗る。マッスルマッスル。パーティのムードメーカー的なアレ。やっぱりグラスランナー。
《滅びのサーペント》
著者:清松みゆき
オススメ度:★★★★★
十五レベルでお祭り騒ぎをやろう! とのコンセプトで発売された高レベル環境リプレイ。著者は、SNEきっての理論派清松みゆき先生である。あの威力表を作った人で、SNEの屋台骨。僕は非常に尊敬して止まないお方だ。
イラストレーターは、あのウィザードリィなどのイラストを手がけた末弥純。最強の陣営となっている。
因みにレギュレーションは、経験点18万点、成長120回と大盤振る舞い。通称サーペントレギュなどと呼ばれる。
通称《サーペント病》を撒き散らした伝説の作品。《サーペント病》が気になった人はぜひ買って読んでみよう!
SW2.0の高レベル環境を面白く派手に展開してくれる。作中ではGM清松みゆき氏が何度も泣かされていて、多くのGMが共感し、明日は我が身だと思い知らされたことだろう。
あまりに人気で1巻完結の筈が、《双頭のサーペント》《三眼のサーペント上下》まで発売された。
1巻完結で非常に読みやすいので、少しでも興味があれば購入してみて欲しい。決して損はないだろう。
カップリング? セッションは『お前ら皆コボルトな!』と、15レベルセッションの後全員1レベルからスタートと、楽しい内容だ。
~登場人物紹介~
PC1:鉄板の安定のHFO(ヒューマンファイター男)である。つけられたアダ名は“血塗れ伯爵”
フェイダン地方のアイヤール帝国の中の、モヒカンでヒャッハーな血風領の主であり、金庫の底が見えそうになると蛮族をしばきに行って稼ぐという、世紀末で、どっちが蛮族だと良く言われる。
なんとキルヒア15レベル神官なのだが、賢神キルヒアとは程遠いアレなので、KILL HERE神官と呼ばれる。
PC2:新米女神の勇者たちに登場する、頼れるNPCバトエルデンというルーフェリア最高司祭がPCとなって登場!
エルフの癖に、かばうファイター(しかも頑強無し)をやる変態ビルドだが、これがまた頼りになるぞ。世界を救う為にルーフェリアを飛び出て、世界を救ったのに怒られる。
PC3:“魔神学者”と呼ばれるモラルをどこかに投げ捨てて来た魔法使い。この時召異魔法は存在していなかったが、存在が(×)みたいな人だ。大体【テレポート】でタクシー代わりにされたり、【メテオ・ストライク】が1点しか入らなかったりちょっとかわいそうな面も。
PC4:通称、カイン・ガラの宝石さん。フェイダン地方にある学術都市カイン・ガラで引きこもりがちに妖精魔法を研究しているナイトメアの女性。最強アイテム〈異形の面〉を駆使して無限のMPで敵を薙ぎ払う。趣味は、15レベルフェアリーテイマー、知力B13の癖に真語魔法学科等、他学科に遊びに行って教師にプレッシャーをかけること。
個人的な見立てだと、中の人は秋田みやび女史ではないかと僕の中で噂だ。
PC5:“百変化” グラスランナーの癖に15レベルエンハンサーという高レベルならでの変態ビルドだ。あり得ない速さで敵を倒して回るぞ。趣味はバルバロスフードを被って、蛮族領を踏破すること。
《マージナル・ライダー》
著者:田中公侍
オススメ度:★★★★★
著者は、ソードワールド2.0のデータ周りを管理している田中公侍氏。通称、諸経費GM。
ライダー技能やアルケミスト技能と言った新しい技能を取り込んで造られたリプレイ。
舞台はリーゼン地方のデュポール王国。“竜の城塞”など呼ばれていて、竜に乗れる竜騎士が活躍する。
デュポールを中心に、様々な事件を乗り越えて成長していくある意味王道ストーリー。ファンタジー感を存分に楽しめる。
この作品の最大の見所は、メンバーが流動的に変化していくところ。レギュラーメンバーの3人をベースに冒険者の店で、協力してくれる仲間を加えながら冒険していく。
ファンタジーゲームである、仲間を変更していく、といったイメージだろうか。
正直、GMとして参加するPCの獲得経験点などは揃えなくてはならないという既存概念があったので、それを壊してくれた。改めてTRPGの自由さを感じさせてくれる。
シナリオも面白くて、GMとしても参考になる箇所がたくさんあった。あまり話題にあがらないが、隠れた名作であると思う。
全四巻で、最終巻は今まで登場したPC総勢10名によるリプレイ史上、最大規模の戦闘だ。
1巻でも充分色々なものが詰まっているので、是非読んで欲しい。
~登場人物紹介~
PC1:主人公の男の子。馬フェチ。女の子より馬が好き。愛馬をこよなく愛す。竜騎士になるのが夢。
PC2:メインアルケミストの女の子。主人公のことが好き。しかし、馬に負ける。馬相手の当て馬とはいかに。
PC3:ドラゴンに育てられた女の子。そして、パパはエルダードラゴン。
野良育ちのせいか、すぐ脱ぐ。
主人公のことが好き。しかし、やはり馬に負ける。
このレギュラーメンバーを加え、色んな助っ人メンバーが登場して手伝ってくれます。
《堕女神ユリスの栄光》
著者:北沢慶
オススメ度:★★★★
SW2.0の代表とも言える、北沢慶が手掛けるライトなノベル。リプレイではなく、ノベルである。
ラクシア世界を小説で書くとこういう感じだなぁー、というのを楽しめる。北沢慶氏が手掛けるノベルは大体、高位な感じのロリババアと呼ばれるタイプの女の子が出てくる。当然、これも出てくる。
全3巻で、駄女神シリーズと呼ばれる。ユリスカロアが初登場であり、ちょっとアレなアイテム〈美味しい黄金の水・女神の味〉なんかもここが出典だ。何故データ化した?
ユリスカロアの敬虔な信徒か、ユリスカロアが【シャープ・タクティクス】【ウォー・スピリット】だけの神じゃないことを知りたい人は是非買おう。
~登場人物紹介~
主人公:強い。モテる。
ヒロイン1:古代神の幼女。主人公のことが好き。
ヒロイン2:お色気担当のお姉さん。主人公のことが好き。
ヒロイン3:クール担当のお姉さん。主人公のことが多分好き。
ライバル:格好いいナイトメア。長生き。
ライバルの仲間1:口が悪いウサギ。ユーレリア博物誌P119、フォルトベルクの美姫に抱きしめられているアレ。
ライバルの仲間2:アラクネを乗り回すクールな美女。ライバルのことが多分好き。