バルバロスブックを真面目にレビューしてみた
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今回は、先日発売されたバルバロスブックのレビューをやっていきたいと思います。
『バルバロスブック』 略称:BB
・購入推奨 ☆☆☆☆☆
・便利さ ☆☆☆
・面白さ ☆☆☆☆☆
タイトル通り、これはバルバロス(蛮族)専門のサプリとなります。
サプリですが、なんと文庫本でお値段1000円。結論から言えば間違いなく『買い』です。1000円以上の価値が間違いなくあります。
具体的な内容に触れれば、以下のものが収録されています。
・『PCの新種族』を四種類収録に加えて、既存の蛮族PCの収録。
・蛮族のワールドコラム(超盛りだくさん)
・蛮族シナリオの指針、サンプルシナリオ
・新データ(アイテム、ネームドモンスター、新技能『フィジカルマスター』
となります。バルバロステイルズのような、リプレイや新たなサプリに出ていた魔物を一纏めに収録した、というものではないので注意です。
また、蛮族の超越データも載っていません。(9月発売のディルフラム博物誌に収録予定だそうです)
では、上から触れていきましょう。
・『PCの新種族』を四種類収録に加えて、既存の蛮族PCの収録。
今まで蛮族PCは、バルバロステイルズには「剣の折れたドレイク」「ダークトロール」「ラミア」「ライカンスロープ」「コボルド」が載っており
カルディアグレイスに「ラルヴァ」「ウィークリング」
イグニスブレイズに、「バルカン」「ダークドワーフ」が載っていました。
今回のバルバロスブックには、「ダークドワーフ」を除く全ての蛮族PCが掲載されています。
(恐らく、ダークドワーフはメンタリティも、種族的にも人族として扱われる為除かれたのでしょう)
これらの蛮族PCは、既存の生まれ表に加えて更に、BB用の生まれ表も新たに追加されています。
蛮族PCをプレイする場合、ルールブックEXのように、文庫サイズのバルバロスブックで全てカバーできるという利点がありますね。
そして、今までの蛮族PCに加えて『ドレイク(ナイト)』『バジリスク』『ケンタウロス』『リザードマン』の四種類が追加されました。
魔剣を持ったドレイクと、バジリスクは蛮族の支配階級だけあって、従来の全ての種族を凌駕する能力値を持っています。一言で言えば、超強い。
また、ケンタウロスもリザードマンも能力値的にはやや劣るものの(穢れが3点で抑えられているからだと考えられる)、凶悪な種族特徴を持っています。
メンタリティも穢れ的にも、人族社会の中で生きる! といったPCにはし辛いのは注意が必要です。
今回のバルバロスブックは、止む無く蛮族社会を離れ人族社会で生きる、というより、バリバリの蛮族社会で成り上がりするぜ! という遊び方をするコンセプトで作られています。
人族卓に持ち込む場合は、GMに必ず相談してから使用しましょう。
・蛮族のワールドコラム(超盛りだくさん)
今回の一番の売りは、この部分だと思っています。バルバロスブックが400ページ弱ですが、200ページ弱がこのコラム集という力の入ったものです。
ウィザーズトゥームを持っている人は想像し易いと思うんですが、ウィザーズトゥームに収録されている「魔法のある生活」のような、ワールドミニノベル(?)に加えて解説、という形で進んでいきます。
例えば、「誇り高き戦士」という項目では、ケンタウロス、トロール、バルカン、ガルーダが対象となっており、この蛮族達が織りなす戦いやドラマが起こったノベルが数ページ書かれています。これに加えて、こういった種族が蛮族社会ではどのような立ち位置で、どういった文化で生活を送っているのか、といった解説が続きます。
項目ごとに、登場する種族はマチマチですが、それぞれにイラストもついていて大変ボリューミーな内容です。
蛮族社会について知りたい、ラクシアの文化についてもっと知りたい
、というかコラムが好き、という人はこの部分だけでも買って損は無い出来です。
・蛮族シナリオの指針、サンプルシナリオ
基本ルールブックに掲載されているような、サンプルシナリオが載っています。初めて蛮族PCかつ蛮族社会で遊ぶにはピッタリでしょう。
この項目では、蛮族PCを使って遊ぶ場合、所謂人族を殺して回るぜェー! といったシナリオは推奨しないという旨が掲載されています。
人族と蛮族の混合卓ではなく、蛮族PCのみで遊ぶ蛮族卓をプレイする場合、この項が必ず役に立つことでしょう。
勿論、あくまで指針であるため、身内同士で承諾が取れていたらどのような遊びをしても自由だと思います。TRPGですし。
・新データ(アイテム、ネームドモンスター、新技能『フィジカルマスター』
アイテムに関しては、蛮族社会で手に入る穢れ持ち用のアイテムが新たに収録されました。人族向けではないですね。それこそ、蛮族社会で遊ぶためのものです。
多機能ベルトのような、所謂多機能耳飾り等、人族卓にも流用してもいいかな? というものもチラホラあります。この辺は要相談となるでしょうが…。
また、ネームドモンスターが数多く収録されていますが。これらは、先ほどのコラムのノベルに登場した魔物がデータ化されたものとなっており、そのバックグラウンドがより知れて非常に“熱い”です。是非、コラムを読んでからネームドモンスターを見てみてください。
新技能フィジカルマスターは、新しい技能体系、とは少し違った特殊なものです。
実質、ドレイクとバジリスク専用の技能となります。ドレイクとバジリスクはご存知の通り、変身が出来ます。
変身した際、増えた部位のHPや防護点、命中の基準値として使うのがフィジカルマスターです。
竜化等の際、生じる不具合を解決するために逆算して創られた技能、という感じですので、人族が新たに覚えられる! といった類のものではないですね。
ただ、魔剣や魔眼が強化されたり、面白いものが多いので、ドレイク(ナイト)やバジリスクを遊ぶ場合はまた違った楽しみが得られるでしょう。
さて、バルバロスブックのレビューは以上になります。
蛮族PCをプレイしないでも、ワールドコラムだけでも十分購入価値があり、他のセッションなどにも活かせると思うので、値段も大変リーズナブルなものですし、是非買ってみてはどうでしょうか。
9月に発売のディルフラム博物誌には、蛮族領での遊びがグッと広がり、また蛮族の超越データも掲載されるとのことで。
このバルバロスブックとディルフラム博物誌を組み合わせて、一つの夏の大型サプリ、という形になりそうですね。