本気でソード・ワールド2.0のレビューをしてみた
一年と少し前に、人生で初めてTRPGに触れ
TRPGの殆どをソード・ワールド2.0と過ごしてきました。
2レベルから超越環境まで遊び、セッション数も三桁はプレイした今、改めてレビューしてみたいと思います。
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バード技能、主に【チャーミング】についての考察
基本ルールブックⅡに載っているバード技能、一見すると使い辛いし……条件も複雑だし、なんだこれ……。と割とスルーしている人も多いと思います。
しかし、バードはデータを良く理解している人が本気で、かつ紳士協定もナシに使うとGMは涙を流すだけで済めば良し、下手をするとシナリオブレイクとなります。
案外、自分が詳しくない技能を放ったままにしておき、軽い気持ちで
許可をすると大変な事になってしまいます。
いざPLが使おうとした際、自分が考えているかなり斜め上を行く結果になってしまいます。
下手に許可をしたばっかりに引っ込みがつかないと、本当に崩壊の危機です。
こういった話はバード技能に限った話ではないですが、今回は特にその危険性の高いバード技能について触れていきたいと思います。
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冒険者はどのくらい速いのか
オリンピックですね。
世界最速のウサイン・ボルト選手は100mを9.58秒で駆け抜けます。
これは、冒険者的にどのぐらいなんでしょう。
敏捷能力値✕3で全力移動となるので。
100m走なら全力移動だろうということで……
ウサイン・ボルト選手は、敏捷能力値およそ『35』となります。
つまり、敏捷ボーナス6の冒険者は地球上で世界最速になれる……。
実際、金属鎧着てようがその速さなので、陸上競技の格好をすれば……もっと速い可能性はありますね。
まあ、防具ナシでもデータ上は同じなので便宜上これで計算していきましょう。
日本人最速はどうでしょう。
100m走最速は十秒らしいので、33.3位ですね。
では、平均の速さはどのくらいでしょう。高校生男子のおおよそ14秒ほどらしいです。
計算してみると、敏捷度能力値『24』くらいです。
こうしてみると、案外…? やっぱり装備をして、走るという事を踏まえると、という感じでしょうか。
じゃあ、車の速さはどんなもんでしょう。
時速60kmの速さで走る車を能力値に直すと……
能力値はおよそ『56』ボーナスで言うと9+α。
つまり、敏捷ボーナス10あれば時速60kmの車より速い
じゃあ、逆にラクシア世界の乗り物で見てみましょう。
魔動ミニバイクが移動速度40、高性能魔動バイクが50ですから。
全力移動したものとして、
ミニバイクは時速43.2km 高性能魔動バイクは時速54kmです。
案外しょっぱいですね。
世界に数台しか無い伝説のバイク、イクシードバイクが70です。
時速75.6km。うーん。
結果として言えば、冒険者はやはり頭が可笑しい身体スペックを持っている、ということが改めてわかりましたね。
【つぶやき】剣のかけらに物申したい
ソード・ワールド2.0では、およそボス等に剣のかけらで、魔物を強化する事が出来ます。(人族にも出来る謎)
これは、HP、MPに加えて選択ルールで抵抗が上昇する、というものなんですが……僕は、これが良い強化だと思っていません。
ルミエルレガシィで、トレジャードロップという、HPを増やす代わりに、レアアイテムが手に入る、という同様のものもありますが。
基本的に、魔物のHPを上昇させる事は、戦闘を冗長にするだけだと思っています。
何故か? と言うと、どんなに強そうなボス一体が生き残るだけでは、弱いからです。
高レベル帯であれば、まだしも……ボス一体の行動だけでは、PC達に対して致命的な打撃を与える事が出来ません。
(凄く危ない特殊能力やらを持っている場合は例外ですが)
一体の攻撃だけでは、ヒーラーが回復して、攻撃して、と緊張感も無くただの消化試合になってしまいます。
特に物理攻撃しか持たない敵は、クリティカルといった突出したダメージも無い為、尚の事です。
これでは、いたずらにPC達のリソースを削るだけで、時間も伸びてストレスしか与えない可能性があります。
じゃあ、どういった敵がほどよく緊張感を与える事が出来るのか?
SW2.0において、強い敵というのは、高いレベル、等ではなく……ずばり、『主動作』の数です。
ということで、以下のものを提案したいです。
『剣の結晶』
これは、魔物LV*5点HPを上昇させる。
本来の魔物が持つ本来のHP以下になった際、主動作の数を一回増加させる。
例:HPが100の10レベル魔物に剣の結晶を載せることで、150となり、50点以下になると主動作が一回増える。
これに加えて、HPが50以下の時に、近接攻撃が魔法ダメージになる、あるいはブレスのような範囲魔法攻撃が手に入る、といった効果も面白いですね。
ただ、HPを強化するだけじゃなくて、こういった工夫があると、より一層戦闘が面白くなると思います。
【つぶやき】マギテックシューターについて
かつて、僕はユグドラシルの若木をぶつけたことがありました。
ユグドラシルの若木は強いです、フェアリーテイマーレベル15で【カオスイクスプロージョン】だってなんだって出来ます。しかも、主動作が3回行動です、ヤバイです。カオイク三発撃てば大体死にます。
PC1「【ショットガン・バレット】右左FA右左RA右」
ぼく「枝が……全て死にました」
PC2「これ本当にユグドラシルの若木wwwww?」
PC3「これねwwwユグドラシルの苗木wwwww」
一同「wwwwwww」
という経験がありました。わからない人はこれを見ましょう。
それから、僕はもうマギシューがにくうてにくうて……手軽に距離を離せるテンキー戦闘を作ったりしたわけですが。
今日は、そんなマギシューが何故ヤバいのか、どうすればよかったのかを適当につぶやきたいと思います。
【何がヤバいのマギシュー】
命中すれば、魔法ダメージってヤバいですよね。しかも、マギテックは同威力帯の魔法と比べて滅茶苦茶コスパが良いです。MPがとても少なくて済みます。
しかし、シューターとマギテック二系統上昇させなくてはいけない経験的な重さは当然ありますが そんなことを言えば魔法戦士はどうなる
低コストで高いダメージを叩き出せるというのはヤバいところの一つでしょう。
しかし、シューターはダメージを向上させる戦闘特技が少ないので同程度の高火力ビルドの魔法戦士の魔力撃で攻撃するのと比較してみても割とトントンだと思うんですよね。
シューターは「マギテック技能レベル+知力」点ダメージですが、魔力撃戦士は「戦士技能レベル+筋力ボーナス+魔法技能レベル+智力ボーナス」出来るわけですから
戦士技能レベル+筋力ボーナスで敵の防護点を超えれば当然戦士のが強いわけです。
なので、実際単体攻撃におけるマギシュー、または1Hデリンジャーマギシューは思ってるよりバランス崩壊ではない、と思うのです。
【じゃあ何がヤバいのマギシュー】
じゃあ、他のビルドと一線を画する存在は何かというと
冒頭にネタにした【ショットガン・バレット】ですね。
射程が短いと云えど、簡易戦闘やら何やらだとどうにでもなりますし、射程伸ばしたりも出来るので、些細な問題です。
パッと考えられる範囲攻撃が
・範囲魔法
・薙ぎ払い系
ですね。【ショットガン・バレット】は範囲魔法の中でもなんと「2点」! 「2点」で範囲攻撃ができます!
同じ威力20の【ファイアーボール】【アシッド・クラウド】が「8点」と「10点」ですよ
【ジェノサイド・バレット】でようやっと「10点」って……まずコレでもヤバいですね。
魔法は判定に失敗しても、半減ダメージ分入るから、その差分と言ええど2点は安すぎます。
また、近接攻撃の薙ぎ払い系の条件は大概「2H」です。にも関わらず、マギシューは1Hで範囲がぶっ放せてしまう。
テイルスイープップラーは、同じ攻撃回数ではありますが……薙ぎ払いファイターは涙目です。
ということで、諸悪の根源は【ショットガン・バレット】だと考えられます。
【じゃあどうするのマギシュー】
先程も書きましたが、1Hでも単射だと然程脅威ではないと思います。
これが、【ショットガン・バレット】になるとヤバさが急加速するわけです。
ですから、どーーーしてもマギシューが脅威で仕方ないという場合【ショットガン・バレット】【ジェノサイド・バレット】の前提を「2Hガンに限る」とするだけで、かなりまろやかになるのではないでしょうか。
そもそも散弾がハンドガンで撃てるのもどーなの、という話です。(私が知らないだけでそういう銃もあるのかもしれませんが)
一般的なイメージとしては両手で構えるポンプアクションなものがショットガンだと思うので、世界観的にもそぐわない裁定では無いと思います。
というわけで、何がヤバいの? という問題は「マギシューそのものは死ぬほどヤバいワケじゃないけど、1Hで撃てる【ショットガン・バレット】が死ぬほどヤバい、というつぶやきでした。
【余談】
乱戦エリア外から、乱戦エリア内に【ショットガン・バレット】を撃ち込む場合、《魔法制御》があれば任意の対象を除外できるとあります。
この時
・《魔法制御》に加えて、《精密射撃》もないと単純な射撃で誤射するよ派
・《魔法制御》あれば【ショットガン・バレット】に限り《精密射撃》なくても誤射しない派
がいるみたいですが、正解は後者のようです。詳細は述べません。
バルバロスブックを真面目にレビューしてみた
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今回は、先日発売されたバルバロスブックのレビューをやっていきたいと思います。
『バルバロスブック』 略称:BB
・購入推奨 ☆☆☆☆☆
・便利さ ☆☆☆
・面白さ ☆☆☆☆☆
タイトル通り、これはバルバロス(蛮族)専門のサプリとなります。
サプリですが、なんと文庫本でお値段1000円。結論から言えば間違いなく『買い』です。1000円以上の価値が間違いなくあります。
具体的な内容に触れれば、以下のものが収録されています。
・『PCの新種族』を四種類収録に加えて、既存の蛮族PCの収録。
・蛮族のワールドコラム(超盛りだくさん)
・蛮族シナリオの指針、サンプルシナリオ
・新データ(アイテム、ネームドモンスター、新技能『フィジカルマスター』
となります。バルバロステイルズのような、リプレイや新たなサプリに出ていた魔物を一纏めに収録した、というものではないので注意です。
また、蛮族の超越データも載っていません。(9月発売のディルフラム博物誌に収録予定だそうです)
では、上から触れていきましょう。
・『PCの新種族』を四種類収録に加えて、既存の蛮族PCの収録。
今まで蛮族PCは、バルバロステイルズには「剣の折れたドレイク」「ダークトロール」「ラミア」「ライカンスロープ」「コボルド」が載っており
カルディアグレイスに「ラルヴァ」「ウィークリング」
イグニスブレイズに、「バルカン」「ダークドワーフ」が載っていました。
今回のバルバロスブックには、「ダークドワーフ」を除く全ての蛮族PCが掲載されています。
(恐らく、ダークドワーフはメンタリティも、種族的にも人族として扱われる為除かれたのでしょう)
これらの蛮族PCは、既存の生まれ表に加えて更に、BB用の生まれ表も新たに追加されています。
蛮族PCをプレイする場合、ルールブックEXのように、文庫サイズのバルバロスブックで全てカバーできるという利点がありますね。
そして、今までの蛮族PCに加えて『ドレイク(ナイト)』『バジリスク』『ケンタウロス』『リザードマン』の四種類が追加されました。
魔剣を持ったドレイクと、バジリスクは蛮族の支配階級だけあって、従来の全ての種族を凌駕する能力値を持っています。一言で言えば、超強い。
また、ケンタウロスもリザードマンも能力値的にはやや劣るものの(穢れが3点で抑えられているからだと考えられる)、凶悪な種族特徴を持っています。
メンタリティも穢れ的にも、人族社会の中で生きる! といったPCにはし辛いのは注意が必要です。
今回のバルバロスブックは、止む無く蛮族社会を離れ人族社会で生きる、というより、バリバリの蛮族社会で成り上がりするぜ! という遊び方をするコンセプトで作られています。
人族卓に持ち込む場合は、GMに必ず相談してから使用しましょう。
・蛮族のワールドコラム(超盛りだくさん)
今回の一番の売りは、この部分だと思っています。バルバロスブックが400ページ弱ですが、200ページ弱がこのコラム集という力の入ったものです。
ウィザーズトゥームを持っている人は想像し易いと思うんですが、ウィザーズトゥームに収録されている「魔法のある生活」のような、ワールドミニノベル(?)に加えて解説、という形で進んでいきます。
例えば、「誇り高き戦士」という項目では、ケンタウロス、トロール、バルカン、ガルーダが対象となっており、この蛮族達が織りなす戦いやドラマが起こったノベルが数ページ書かれています。これに加えて、こういった種族が蛮族社会ではどのような立ち位置で、どういった文化で生活を送っているのか、といった解説が続きます。
項目ごとに、登場する種族はマチマチですが、それぞれにイラストもついていて大変ボリューミーな内容です。
蛮族社会について知りたい、ラクシアの文化についてもっと知りたい
、というかコラムが好き、という人はこの部分だけでも買って損は無い出来です。
・蛮族シナリオの指針、サンプルシナリオ
基本ルールブックに掲載されているような、サンプルシナリオが載っています。初めて蛮族PCかつ蛮族社会で遊ぶにはピッタリでしょう。
この項目では、蛮族PCを使って遊ぶ場合、所謂人族を殺して回るぜェー! といったシナリオは推奨しないという旨が掲載されています。
人族と蛮族の混合卓ではなく、蛮族PCのみで遊ぶ蛮族卓をプレイする場合、この項が必ず役に立つことでしょう。
勿論、あくまで指針であるため、身内同士で承諾が取れていたらどのような遊びをしても自由だと思います。TRPGですし。
・新データ(アイテム、ネームドモンスター、新技能『フィジカルマスター』
アイテムに関しては、蛮族社会で手に入る穢れ持ち用のアイテムが新たに収録されました。人族向けではないですね。それこそ、蛮族社会で遊ぶためのものです。
多機能ベルトのような、所謂多機能耳飾り等、人族卓にも流用してもいいかな? というものもチラホラあります。この辺は要相談となるでしょうが…。
また、ネームドモンスターが数多く収録されていますが。これらは、先ほどのコラムのノベルに登場した魔物がデータ化されたものとなっており、そのバックグラウンドがより知れて非常に“熱い”です。是非、コラムを読んでからネームドモンスターを見てみてください。
新技能フィジカルマスターは、新しい技能体系、とは少し違った特殊なものです。
実質、ドレイクとバジリスク専用の技能となります。ドレイクとバジリスクはご存知の通り、変身が出来ます。
変身した際、増えた部位のHPや防護点、命中の基準値として使うのがフィジカルマスターです。
竜化等の際、生じる不具合を解決するために逆算して創られた技能、という感じですので、人族が新たに覚えられる! といった類のものではないですね。
ただ、魔剣や魔眼が強化されたり、面白いものが多いので、ドレイク(ナイト)やバジリスクを遊ぶ場合はまた違った楽しみが得られるでしょう。
さて、バルバロスブックのレビューは以上になります。
蛮族PCをプレイしないでも、ワールドコラムだけでも十分購入価値があり、他のセッションなどにも活かせると思うので、値段も大変リーズナブルなものですし、是非買ってみてはどうでしょうか。
9月に発売のディルフラム博物誌には、蛮族領での遊びがグッと広がり、また蛮族の超越データも掲載されるとのことで。
このバルバロスブックとディルフラム博物誌を組み合わせて、一つの夏の大型サプリ、という形になりそうですね。